世界のウイスキー

およそ700種類に及ぶ世界中から集められたウイスキーのテイスティングノートや情報はこちらからご覧いただけます。現在は多くのテイスティングコメントを皆様にお届けするために、バッチ(製造年)違いである同一商品のテイスティングも掲載しておりますので、現在発売されているウイスキーの評価とは限りません。予めご了承ください。

テイスティング

Whisky Magazine ではウイスキー専門家、作家、愛飲家によるテイスティングを毎号開催し、その情報を皆さんにお届けしています。

推奨ボトル

テイスターが判定したポイントの規定によってSilver Recommended(銀賞)もしくは Gold Editors Choice(金賞)が毎号決定します。


ポートシャーロット PAC:01 20112011  10年  56.1%

  • 蒸溜所名: ブルックラディ蒸溜所
  • 地域: アイラ
  • ブランド: レミーコアントロー
  • 価格帯: £71-120
  • 入手可能場所: 英国、米国、EU
  • 掲載号:179号

フィービー・カルバーSCORE8.6

香り
とても心地よい香り。黒っぽい果皮のドライフルーツ、レーズン、甘いスパイスの刺激が英国風のクリスマスを連想させる。やがてアップルクランブルケーキの匂いも加わるが、それらすべての香りが、ピート香の大きな毛布に包まれる。
香りで感じたリッチな印象は、そのまま引き継がれる。キャンプファイヤーで燃やしたピートの煙。その後から英国風クリスマスプディング、柑橘類などの風味。オーク材の感触がずっと続いている。ショウガやナツメグのようなスパイスもある。
フィニッシュ
燻したピートの力強い香りがあり、塩キャラメルチョコレートのスナックバーを思わせる甘味と心地よいコンビネーションをなしている。
コメント
力強いピート香を押し出しながら、見事なまでにバランスよく仕上げられたウイスキー。

クリストファー・コーツSCORE8.4

香り
ラズベリージャムを乗せたフロマージュ・フレ、クラナカン(スコットランドのデザート)、ミルクチョコレート、ハニーコム、木材を燃やしたスモーク香。トフィーの重層的な香りの下に、かすかな松材の印象も感じる。
スモーク香、ベリー系フルーツ、甘いシリアルという3種類の風味が融合している。甘いキャラメルチョコレートのような風味があり、マルドン社の海塩も想起させる。ワッフルを燻製したような味(そんなものは存在しないが)。イチゴ、ハニーデューメロン、白ブドウなど、朝食に定番のフルーツを思わせる味わい。
フィニッシュ
余韻は長い。タンニンが舌にドライな刺激を与え、ナッツのような後味が強まってくる。
コメント
フルーツ香とスモーク香の複雑な融合。朝食なのかデザートなのかはわからないが、何かが燃えているような感触がある。

ポートシャーロット PAC:01 2011    56.1%

  • 蒸溜所名: ブルックラディ蒸溜所
  • 地域: アイラ
  • ブランド: ブルックラディ蒸溜所
  • 価格帯: £71-120
  • 入手可能場所: コアレンジ
  • 掲載号:178号

フィービー・カルバーSCORE8.3

香り
甘いピートとタールの匂い。黒いビニールシート。トロピカルな風味もあり、マンゴーやフレッシュなメロンの甘さを感じる。やがて砕いた黒コショウの刺激。
土っぽいピートのスモーク風味がはっきりと現れる。その後からスイートチリソースの辛味と刺激。材木の樹液、切り分けたマンゴー、モミの木。やがてミントタブレットの後味がやってくる。
フィニッシュ
土っぽいスモークの後味が、かなり長く持続する。
コメント
考え抜かれたバランスを感じさせるウイスキー。クラシックなアイラモルトらしさに、甘いトロピカルな要素が溶け込んでいる。

クリストファー・コーツSCORE8.3

香り
木炭の煙や、オーク材で燻したスモークサーモン。トウガラシのような印象とリコリスステック。リンゴンベリー(コケモモ)のソースと、ジュニパーを思い起こさせる香り。バーベキューの炭火で焦げた鹿肉。加水すると、オレンジのドライフルーツやクローブの香りも現れる。
口当たりはミディアムボディ。ミントタブレットのトローチ風味が前面に出て、心地よいまでの薬っぽさを感じさせる。水を加えるとペアドロップキャンディやホオズキの味わいが現れ、クランベリーの感触も伴っている。時間が経つにつれて、紙っぽい印象が強まる。
フィニッシュ
余韻の長さはミディアム。トローチのような後味がしばらく残る。
コメント
かすかに辛味があるものの、水を加えると心地よいアイラモルトらしさに落ち着いてくる。